英語習得

私は英語がしゃべれる。


言語の能力とは「しゃべる」だけでは十分でなく、
聞く力、理解する力、読む力、書く力等が全て必要であり、
私はその全ての力がネイティブ並であるわけではない。


2〜3年英語暮らしをしただけでは、
2〜3歳のネイティブには勝てても、
26歳のネイティブには勝てない。


でも、「しゃべる」という技量に関してのみ言及すると、
しゃべれるのだ。


私が海外生活をしてみて、とても驚いたことは、
「留学などで長期海外滞在をしているにも関わらず、英語がしゃべれない日本人」がとても多いことである。
8年とか10年とか、私よりもずっと長く海外生活をしているのに、それほどしゃべれない人は結構いるのだ。


そもそも「しゃべる」能力とは、母語であっても個人差がある。
「しゃべる」のが得意な人とそうでない人がいる。
その得手不得手は外国語学習にもそのまま影響することはするのだろう。
(因みに私は日本語でもおしゃべり。)
でも、努力次第でどうにでもなるものでもあると思う。


そこで、私が英語をしゃべれるようになった訳を披露したいと思う。
誰かがどこかで参考にしてくれて、役に立てたら嬉しい。


やったことは、
とにかくしゃべる。
しゃべらなければしゃべれるようにはならない。
まあ、当然ね。


しかし!
お気づきのように、コレはそんなに簡単な事ではない。
なぜならば、会話は相手があってのこと。
あまりにもちんぷんかんぷんな段階で果敢に挑戦しても、相手にとってはいい迷惑!
限界があるのだ!


外国人だということで気を使ってくれるネイティブは多い。
わかるまで、何度も何度も、違う言い方で言い直してくれたりする。
その時点でこっちはとても申し訳ない気持ちになるのに、
さらに!!!
やっと言ってることが理解できても、
今度はそれに的確な答えを返すことができなかったりする。
そうすると申し訳ない気持ち極まりなくなって、長続きしないのだ。


それでもそうやって、しゃべろうとする努力を続けることはやっぱり大切である。
しかし、それだけでは限界があるので、違う方法を以下にあげる。


対策その1  子供としゃべる。


子供は、彼らが言ったことをこっちがチャント理解しているかどうか、大人ほど気にしない。
そして、どんどん自分のペースで進んでいく。
だから、そういう状況の進展を見ながら、こっちは「ああ、こういう意味だったのか」
と理解することができる。


さらに、子供は大人のように気を使わない。
こっちが変な発音でしゃべると、きっぱりはっきり
「なに言ってるかわからない」
と言ってくる。察したりはしてくれない。
発音に気をつけて言い直すと、
「ああ、〜って言いたいのね」
となった後、発音矯正がはじまる。
「〜だよ〜!」
「なんで*って言うの?〜って言ってごらん!」
とあきらめることなく、正しく言えるようになるまで続く。
子供様様でしょ。
こんなこと、子供じゃなきゃやってくれない。


さらに、子供は本をもってきて、
「コレ読んで〜」と言ってくる。
そしてほとんどの場合断れない。
子供はしぶといのである。


ところが、実は子供用の本は非常にいい練習になる。
基本的な文章表現は簡単だが、
意外と知らない単語や文型も出てくる。
それを、子供にわかるように音読しなければならないので、
常に発音に気をつけて読まなければならない。
さらに読みながら自分も内容を理解できていなければならない。
そうでないと、登場人物ごとに声色を分けて読んだりすることが出来なくなるからだ。
そしてリズムよく読まなければならない。
うまくできないと子供ががっかりする。


ひやひやひやひやしながら、すごい集中力で読んだものだった。
でもそれが実は、かなり勉強になった。
途中で、わからなくなったり、疲れたときは、
子供にばれないように、うまく内容を端折ったり、台詞を短くしたりもした。
こうしたなかで、応用力をつけることもできたと思う。


子供とのやりとりの中での、一番の収穫は‘発音’だ。
コレは、非常に重要で、正しい発音をするには、正しく音が聞こえなくてはならない。
この発音力がつくと、その後、日常生活でも、テレビでも、映画でも、
格段に多くの音(単語)がひろえるようになる。
言い方を変えると、発音力を身につければ、
英語圏で生活しているだけでも、英語力が向上する。
常に新しい単語を聞き取って、その使い方を文脈から学ぶことができるのだ。




対策その2  DVDを沢山みる。


これは、簡単で楽しい内容のものから始めるのがいい。
お勧めはディズニー映画。


子供向けなのでわかりやすいし、日常生活に必要な言い回し・やりとりはほとんどディズニー映画の中に見ることができる。
DVDではそれを繰り返し見ることができてよい。


さらに、ディズニー映画は歌が多いので、見ていて楽しいだけでなく、
繰り返し見るうちに、歌を覚えてしまい、その歌を口ずさむようになると、
歌の中の言い回しが自然と身につく。


そして、そのうちに映画全体の台詞を覚え始めて、
DVDを見ながら、同時に自分も登場人物になりきって台詞を言うようになると、
日常生活に必要な言い回しはほとんど体得することができる。



対策その3  独り言を英語で言う。


家でひとりで作業をするときに黙ってやるべからず。
「さあ、〜しよっかなー。」
「あ、しまった!!あれわすれた。」
「あれ?何しようと思ってたんだっけ?」
と全ての可能な瞬間に独り言を口ずさむ。
全て英語で。


必要な言い回しは、ディズニー映画で身についているので、
あとは実践なのだ。
適切な場面で適切な独り言をいう。
まるで映画の登場人物になりきったような気持ちで。
独り言は多ければ多いほどよい。


上記3つを実践すると、不思議なことに!!!
人に会ったとき、
ペラペラペラペラしゃべれるようになっているのだ。
するするするする言いたいことがでてくる。


実は私が上記にあげた方法は、
赤ちゃんが生まれてから、自分の母語を習得する過程に近いと思う。
私は、赤ちゃんの母語習得過程を意識して、この方法を実践した。
赤ちゃんはまず、聞いたことを口真似し、大人に発音をなおされたりしながら、
そのうちに本番(実際の会話場面)で使えるようになる。
言語の基盤ができると、年を追うごとに語彙を増やしていく。
しかし、私達が外国語を学ぶとき、
私達は子供ではないので、大人並みの語彙量がいきなり必要になる。
上記過程を1年も実践すれば、必ずしゃべれるようにはなるが、
ネイティブが十数年かけて習得する量の語彙が欲しければ、
読書等、さらに別途の努力が必要になるだろう。


ここで本を紹介!!


「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55

「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55

久々にいい本を見つけた。
コレは私が今年の目標にしている
「コツコツ」のバイブルと呼べそうだ。
読んで更にモチベーションが上がった。


多少私の意見と異なる部分もあるが、全内容の85%くらいは同意。(←えらそう・・・ごめんなさい)
この本のいいところは、著者の日本語力が高いことだと思う。
すごくわかりやすく、読みやすく、きちんと理論が通っている。
こういう本は気持ちがいい。


さらにこの本の中で、著者が英語学習に関して、
私の考えと似たようなことを言っていて驚いた。
「独り言」なんて、実践するのは私くらいだろうと思っていたが、
どうやら彼も「独り言」実践者らしい。
さらに著者は発音の大切さも謳っている。