島国を飛び出せ

カナダにきて、しみじみと感じる。
日々、ひしひしと感じる。
日をおうごとに、じわじわと感じる。
日本の小ささ、日本が閉鎖的であること。
今世界中で中国語が注目されてる。
ここもそう。近年中国語学習者がどんどん増えてる。
ここには多くの中国人が住んでいる。チャイナタウンも充実してるし、もし英語のわからない中国人がきても不自由なく生活できるだろう環境がととのっている。
中国の強みはなんといっても人口だろう。
ビジネスを考えれば、市場は大きい、大きなビジネスが出来る。
話す機会を考れば、人口が多いのだから当然話す機会も多い。
繰り返すが、ここカナダには中国人が多く住むから国内でも中国語を使う機会が多い。すぐ使える。
カナダに来る前は「日本語学習者を増やすにはどうしたらよいか」、「どうしたら日本語の人気が高まるか」ということばかり考えていたが、今では日本語を勉強する生徒達をみて、なぜ日本語を勉強してくれているのか不思議なくらいだ。
日本語は日本に行かなければ話す機会はまずない。
日本は遠い、物価は高い。
日本語は独立性が高く、同じ言語族に属するものがないといわれる。そして英語と日本語の違いは大きく、英語話者には習得困難といえる。
見方によればカナダに住む日本人も多いが、中国人と比較すれば比ではない。
習得困難な日本語を習得したあげく使う機会がないならば、学習者も当然少ない。
もし日本経済の発展、テクノロジーがなければ、だれも日本語を学ぼうとしないだろう。

言語とは本来「生活するため」または「何かを成し遂げるため」のツールなのであって、言語それ自体が目標になるものではない。呼吸をするのと同じくらい無意識で使えなければ、本来の言語の役割は果たせない。(と私は思っている)
言語を自分の生活ツールにするには、使いつづけなければならない。
言葉は常に変化するものだし、語彙は必要に応じて増えていくものだから。
だから言語教育の上で、学習者が何をもってその言語を習得したといえるのかは学習者の目的による。
仮に何かが日本で大ブレークして何かの目的で日本語をツールにしたい人が増えても、日本語をツールとして使える国は今のところ日本だけ。あの狭い狭い国土だけ。

カナダにきて初めて思った。もっともっと人口が必要だと。
日本にいるときは、人の多さにうんざりしていたけど、
日本が狭いなら、世界各地に点在すればいい。
人口が多いことはひとつの大きな強みである。