引越し

1月10日に引越した。
次のホストファミリーの家へと移った。
これはカナダに来る前から決まっていたことで、私の生活は極めて順調に進んでいる。
今度のホストファミリーもとてもいい人たちだ。

この家に来た最初の夜、前のホストファミリーの夢を見た。
その後何度か前のホストファミリーが恋しくなった。
全然気が付かなかったけど、私はすっかり彼らを頼りにしていたんだ。

不思議なものだ。
単身でカナダにきて、私を知る人も私の知る人も全くいなかったのに、
今では恋しく思う人がここにいる。

前のホストファミリーの家に初めてついたとき、その後1週間くらいは緊張していたのを覚えている。
初日に家に設置されているセキュリティーアラームの説明を受けたら、
その夜は私がアラームを鳴らしてしまう夢にうなされた。
そしてしばらくの間は毎朝早くに目がさめた。
それがいつの間にか快適な生活になっていて、今では彼らとのコミュニケーションに安らぎを感じる。
今のホストファミリーもそうなっていくのだろう。

引っ越したことで見えたことが沢山ある。
この家族と前の家族は、子供を同じ学校に通わせ、住んでいる場所もそう遠くない。
それなのに、生活スタイルや背景に持つ文化等は全然違う。
話題にする事柄、買い物に行く店、余暇の過ごし方、人との付き合い方・・・
改めてこの国は多民族国家だと思った。

引っ越したことで私はふりだしに戻った。
日々私を知らない私の知らない人に出会い、私の存在をアピールする。
私のよく知っている前のホストファミリーの親戚友人達にはぴたりと会わなくなった。
付き合う人の層が広がって、私にとってとてもいいことだ。
同じことを話しても違う回答がかえってくる。予想もしなかった考え方を聞いたりする。
私を知った人には5話して通じることでも、新しく出会った人には10話さなければならない。
同じカナダの英語話者でも人それぞれ話し方に特徴があるから、新しく出会った人の発音は聞き取りにくかったり、聞き取ってもらいづらかったりする。

だから今回引越したことは私にとってとてもいい。